9/3 数学・結論から逆算 | 勉強もたまには教える数学塾

9/3 数学・結論から逆算

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今回は、証明問題がニガテな方(これがかなり多い)のために、その対処法のおはなし。
図形の証明問題に限定しておはなしするが、基本的な考え方は他(文字式など)の証明問題にも通用する。

実例をあげて説明する方がわかりやすいので、前回まで数回にわたって使用した問題を再び使わせていただく。
(アレはもう飽きた? まぁそう言わずに。初対面より慣れた相手のほうが取りつきやすいでしょう。 浮気っぽい方は別として・・・。)

【問題】
前回の別解-2
上の図において、二等辺三角形ABCで、
底角∠B,∠Cの二等分線が辺AC,ABと交わる点をそれぞれD,Eとする。
このとき、
EB=DC
であることを証明しなさい。

【Ⅰ】
まずは問題をよく読み(アタリマエダ)、辺や角で等しいことがわかっているものにマークをつける。
(上図は すでにつけてあります。)
角度や平行などがわかっていれば、それらも図に記入する。

【Ⅱ】
これから証明すべきこと(結論)は何か? をシカと見きわめ(ここではEB=DC)、それを目立つように四角い枠などで囲む。
これを図中にマークをつけるのは厳禁。どうしてもマークしたければ赤エンピツで。
そして、これを証明の途中で決してつかわないことを神に誓う。

以上で準備完了。

【Ⅲ】
核心に入る。
結論に注目して、「結論(EB=DC)を言うためには何を言ったらよいか?」と考える。

ここでの結論は、長さが等しいことである。
長さや角が等しいことをいうための最もスタンダードな手段は何か?
「三角形の合同」である。 これは知っておくとよい。

では、どの三角形とどの三角形とが合同ならよいか?
EB=DCを言いたいのだから、EB,DCを含む三角形を選ぶのが素直である。

三角形の組合せは、つぎの2通りが考えられる。
a:△EBCと△DCB
b:ECとDBとの交点をFとすると、△EBFと△DCF

どちらが合同になるか?
ここで、三角形の合同条件を思い出していただきたい。
[三角形の合同条件]
1.3辺がそれぞれ等しい。
2.2辺とその間の角がそれぞれ等しい。
3.1辺とその両端の角がそれぞれ等しい。

これら3つのうちの1つがいえればよいわけで、まず
a:△EBCと△DCB
を検討してみよう。
前回の別解-2
さいわいにもBCが共通なので、1辺はOK。・・・①
図にマークしてあるように、∠EBC=∠DCB・・②
あとEB=DCがいえれば、合同条件2の
「2辺とその間の角がそれぞれ等しい」がいえる。

と思ったら大マチガイ!
EB=DC は、これから証明すべき結論であって、上記【Ⅱ】で神に誓った以上つかえない。
そこで、せっかく①,②があるのだから、合同条件3.「1辺とその両端の角がそれぞれ等しい」に切りかえると、
∠ECB=∠DBCがいえればよいことになる。
∠ECBと∠DBCは、等しい角である∠ACBと∠ABCの半分同士であるから等しい。
これで、めでたく a:△EBCと△DCB の合同がいえる。

答案は、これを順序をひっくり返して下から上へ、くわしく、そして採点者がわかるようにお書きになればよろしい。
(弊ブログ '05/8/13「結論は使えない」の解答参照)

このように、証明問題では、結論をいうためには○○ → ○○をいうためには△△ と、結論から逆算するとよいのでアリマス。

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