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【問題】
上の図において、二等辺三角形ABCで、底角∠B,∠Cの二等分線が辺AC,ABと交わる点をそれぞれD,Eとする。
このとき、EB=DC であることを証明しなさい。
[別解1]
BDとCEとの交点をFとする。
(あらすじ:△EBFと△DCFが合同であることを言って、「ゆえにEB=DC」 とキメル。
合同をいうために、△FBCが二等辺三角形になることからFB=FCを使うのがポイントでしょうか。)
△EBFと△DCFで、
△ABCは AB=ACの二等辺三角形だから
∠ABC=∠ACB・・・・①
仮定から
∠EBF=∠ABC/2・・②
∠DCF=∠ACB/2・・③
①,②,③ より
∠EBF=∠DCF・・・・④
ところで、△FBCにおいて、
仮定より
∠FBC=∠EBF・・・・⑤
∠FCB=∠DCF・・・・⑥
④,⑤,⑥ より、
∠FBC=∠FCB
2つの角が等しい三角形はそれらの角を底角とする二等辺三角形であるから、
△FBCは、∠FBCと∠FCBとを底角とする二等辺三角形である。
よって
FB=FC・・・・・・・・⑦
さらに、対頂角であるから
∠EFB=∠DFC・・・・⑧
④,⑦,⑧により
1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
(1辺:⑦、その両端の角:④,⑧)
△EBF≡△DCF
ゆえに
EB=DC
(かなりシンドイ。夏むきじゃない!)
[別解2]
(あらすじ:まず、△ACEと△ABDが合同であることをいって、AE=ADをみちびく。
つぎに、これとAB=ACとから引き算の式でEBとDCを書けば結論がいえる。)
△ACEと△ABDで、
仮定から
AC=AB・・・・・・・・①
共通な角だから
∠EAC=∠DAB・・・・②
また、仮定から
∠ACE=∠ACB/2・・③
∠ABD=∠ABC/2・・④
△ABCは AB=ACの二等辺三角形だから
∠ACB=∠ABC・・・・⑤
③,④,⑤より
∠ACE=∠ABD・・・・⑥
①,②,⑥により
1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△ACE≡△ABD
したがって
AE=AD・・・・・・・・⑦
ところで、
EB=AB-AE・・・・・⑧
DC=AC-AD・・・・・⑨
よって①,⑦,⑧,⑨より
EB=DC
[別解3]
(あらすじ:ここまでの3つの解答は三角形の合同を利用したが、ここでは円を利用する。 まず、4点D,E,B,Cが同一円周上にあることを言い、つぎに、弧EB,弧DCに対する円周角が等しいことを言って結論をみちびく。)
△ABCは AB=ACの二等辺三角形だから
∠ABC=∠ACB・・・・①
仮定から
∠EBD=∠ABC/2・・②
∠DCE=∠ACB/2・・③
①,②,③ より
∠EBD=∠DCE・・・・④
また、3点D,E,Bを通る円において、点Cは弦EDについて弧EBDと同じ側にある。
このことと④とにより、点Cは弧EBD上にある。
すなわち、4点D,E,B,Cは同一円周上にある。・・@
ところで、
仮定から
∠BCE=∠DCE・・・・⑤
∠CBD=∠EBD・・・・⑥
④,⑤,⑥より
∠BCE=∠CBD・・・・⑦
1つの円において、等しい円周角に対する弧は等しいから
@,⑦より
弧EB=弧DC
1つの円において、等しい弧に対する弦は等しいので
EB=DC
うっかりしていて申しわけないが、この[別解3]は現行教科書-平成13年検定-の内容を超える。
したがって、新課程で学ばれた方は、この解答が思い浮かばなくて当然である。
アシカラズ・・・。
なお、前回、もうひとつ非一般的な解答がある と申しあげたが、それは次回にご紹介させていただくことにする。
あらすじは、三角形における角の二等分線と線分の比との関係を利用するものであって、小生の好みでは5つの解答のうちでもっともビューティフルな解答になると思われるが、これこそ現行教科書を超える。
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